2025.05.12
コラム

【最新】日本の温室効果ガス排出量の実状

2025年4月25日、2023年度の温室効果ガス排出量確報値が環境省・国立環境研究所から発表になりました。最新の統計データをもとに『日本の温室効果ガス排出量の実状』をお伝えいたします。

■各温室効果ガス排出量の推移
温室効果ガスの総排出量は、約10億7,094万トン(CO2換算)で、前年度比4.0%減少(▲約4,494万トン)、日本の削減目標基準年度の2013年度から23.3%減少(▲約3億2,442万トン)し、2023年度以降最小となりました。温室効果ガス排出量のうち最も多いCO2排出量は、約9億8,900万トンとなり、前年度⽐4.1%減少(▲約4,280万トン)、2013年度⽐で24.8%減少(▲約3億2,540万トン)しました。

■温室効果ガス排出量の推移予測
今後の推移を2013年度から2023年度の減少傾向(近似直線)から予測すると、2035年度と2040年度の目標達成と2050年度のカーボンニュートラルの実現は難しい状況で、今一歩、踏み込んだ温暖化対策が必要です。
■温室効果ガス排出量を削減しながら経済成長を実現!
世界全体では、経済成長に伴い産業が発展しエネルギー消費が増加するため温室効果ガス排出量も増加する傾向にあります。また、地球温暖化対策は、エネルギーのコスト上昇、省エネ設備導入、産業構造の変化などが影響し、経済成長を続けながら温室効果ガス排出量を減らすのは難しいと考えられていました。しかし、わが国では、エネルギー消費を効率化し、少ないエネルギーでより多くの経済活動を可能にする技術開発を進めたことで、温室効果ガス排出量を削減しながら経済成長を実現できています。

■まとめ
・我が国の温室効果ガスは、2013年度以降継続的に削減できています。
・2050年度にカーボンニュートラルを達成するには更なる対策が必要です。
・経済成長と温室効果ガス排出量の相関関係を切り離すことが出来つつあります。

 

コラム一覧