2024.01.17
コラム

寒い家は危険!家庭で起こる死亡事故の実状

厚生労働省人口動態調査結果(2023.9.15発表)をもとに、私たちの暮らしの中に潜む『家庭内の不慮の死亡事故の実状』をお伝えいたします(毎年、最新データにて更新)。

家庭内の不慮の事故による死亡者数
2022年の家庭内の不慮の事故による死亡者数は15,673人で前年と比較すると2,321(前年比117.4%)増えました。交通事故死亡者数2,610(前年比-7.2%)と比較すると6倍の方が不幸にも家の中で亡くなられています。交通事故死者数は減少傾向が続くなか、2022年に家庭内事故死者数は増加に転じてしまいました。日常生活の中で、交通事故と同様に「家庭内での不慮の事故」について注意していく必要があります。
家庭内の不慮の事故死者数の内訳
では、家庭ではどのような不慮の死亡事故が起きているのでしょうか?
一般的に「階段やバルコニーから落ちる」「火災」などが多いと思われがちですが、最も多いのは「溺死及び溺水(6,578)」で42%を占めます。そのほとんど(6,084)が「浴槽内での溺死及び溺水」で命を落されています。
その原因は、寒い冬に「気温差による急激な血圧上昇降下で意識を失い浴槽内で溺死」「長くお湯に浸かりのぼせてしまい意識を失い溺水」が多いといわれています。どちらも広い意味で”寒さによるヒートショック”が原因といえます。

年齢別の内訳
年代別には、高齢化するにつれて増加傾向にあり、65歳以上が全体の89%を占めます。また、特に家の寒さが主な原因と言われている「溺死及び溺水」に着目すると、死亡者数6,571人のうち、6579歳が34.5% (2,269)80歳以上 60.2%(3,959)65歳以上の合計は94.7(6,228)に達します。高齢者にとって寒い浴室はとても危険な場所なのです。


家庭内死亡事故を減らすために
家庭内死亡事故死者数が最も多い「浴槽内での溺死及び溺水事故」を減らし、健康長寿の社会を構築していくためには、”家の寒さ対策”が重要です。
ただし、家の寒さ対策として、エアコン等の暖房機器を多用し室内の温度調整をしても、断熱不足のお家では、同時にエネルギーを浪費してしまうことになります。そこで、家の保温性(断熱性)を向上させることがとても大切となります。

新しく住宅を購入する場合は、命と健康を守れる保温性(断熱性)の高い住宅を選ぶ必要があります。ロングライフ・ラボでは、少ないエネルギーで家じゅうが温かい住宅(真の省エネ住宅)の性能として、国が定める断熱等性能等級(以下断熱等級)6以上、かつ隙間の少なさ(隙間相当面積)C値が1.0未満を推奨しています。詳しくは「保温性のモノサシ」をご参照ください。

また、今お住いの家をリフォームして保温性を上げるには、新築する時と同じように“真の省エネ住宅(断熱等級6以上、C1.0未満)”の性能を目指すこともできますが、建物の状況や予算によって対策は変わってきます。大規模な工事が難しい場合、室内の熱が最も逃げる窓の断熱性を高めることがお手軽かつ効果的で、条件が整えば国の補助金(先進的窓リノベ2024事業(環境省) 等)を利用することもできます。是非、ご検討してみてください。

ロングライフ・ラボが全国各地で開催(または後援)している『健康セミナー』では、「住宅の寒さと健康リスク」や「省エネで暖かい住宅にするための方法」などについて、分かりやすくご説明しています。家の寒さでお悩みの方は、お近くで開催される健康セミナーにご参加してみてはいかがでしょうか?

家の寒さが原因で亡くなる人を減らすために、これからもデータに基づいた正しい情報をお届けして、日本の家から“寒い”を無くしていきます。

※社会課題を定量的にお伝えするために、客観的なデータとして「死亡者数」を利用させていただいたことをご理解ください。家庭内事故で亡くなられた方にご冥福をお祈りさせていただくとともに、ご家族の方々にお悔やみ申し上げます。

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・主催:とうきょう健康・省エネ住宅推進協議会様
・後援:一般社団法人ロングライフ・ラボ

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