2024.02.26
イベント

【レポート】パッシブハウス軽井沢視察ツアー(ロングライフ・カレッジ)

生活者が気軽に”持続可能な社会づくり”について学べるロングライフ・カレッジの一環として、「パッシブハウス軽井沢視察ツアー」を昨年11月30日と2月15日に2回開催いたしました。
1回目は賛助会員様限定、2回目は賛助会員様をはじめとした皆さまと視察して参りました。

■「第2回 パッシブハウス軽井沢視察ツアー」開催概要はこちら

世界基準の省エネ建築物を2物件見学する視察ツアーと題し、午前は、佐久市にあるエコオフィス(木下建工株式会社様 新社屋【NHQ1】パッシブハウス Low Energy Building)、午後は、軽井沢町にある「追分の家(パッシブハウス(認定申請中)」を見学しました。
どちらの建物も、とても少ないエネルギー(ほぼ暖房無し)で建物じゅうが23~24℃の快適環境。
また、建築物からのCO2排出量は全体の約三分の一を占めますが、今回 見学したオフィス、住宅ともにCO2排出量はゼロ(正確にはマイナス)です。
高性能な建物に、ふんだんに使用されている自然素材により空間の快適性や心地よさを感じることもできました。

「木下建工様新社屋」では、設計施工された木下建工株式会社 常務取締役 木下史郎様から、「追分の家(パッシブハウス(認定申請中)」では、設計された 一級建築士事務所キーアーキテクツ 代表取締役で、一般社団法人パッシブハウス・ジャパン 代表理事とロングライフ・ラボ理事を務められている森みわさんから、設計のきっかけやコンセプト、社会的な意義を踏まえた貴重なレクチャーをいただきました。

お二人の熱いメッセージが参加者様にとても響いておりました。
世界トップレベルの高性能なオフィス・住宅を学び、真冬にパッシブハウスを体感できる貴重な機会を企画し、参加者の皆さんに「こんな建物があるんだ!」と気づきをご提供できました。

新築、改修ともこのような建築物が増えるように推進し、これからも持続可能な社会を構築していくための価値ある勉強会を企画してまいります。

最後に、ご参加いただいた皆さまの声を一部ピックアップしてご紹介します。
■参加者さまのご感想(アンケートの一部抜粋)

【木下建工様 新社屋】
木造であれだけの空間をつくられていることの驚きと、その空間をほぼ暖房に頼らず冬場快適に過ごされていることに感動しました。仕切りのない仕事空間は素敵だなと思いました。
あの広さで冬でも暖房をほぼ使わずに過ごせることを身をもって体感できたことが、驚きでした。また何よりここで働きたいと思える空間で感動でした。
木下常務の「暖かい自宅の快適さを知ってから、オフィスの寒さに怒りを感じた」という動機が、とても体感的で腹落ちがしました。持続可能な社会のためオフィス環境も整えて~というようなストーリー展開より、実感のこもった力強い導入だと思いました。さらに数値的な説得力を持っているのがスゴイです。初期費用ではなくランニングコストも考慮に入れたうえで、学校や公共の施設を断熱建築にすべきというご主張ももっともで、私も是非発信したいと思いました。エネルギー効率や断熱の仕組みについて本質を理解しているからこそ、既存の考えや通例にとらわれず工夫ができるのだと思うと、どんな分野でも基礎知識を持っていることのアドバンテージを感じました。

【追分の家(パッシブハウス(認定申請中)】
建築会社として「住」について考えることは当たり前ですが、普段の生活サイクルについても意識を持たなければいけないと感じました。
森みわさんのエコハウスに対する考え方、暮らし方を含めた考え方を知る事ができたこと。
森さんが、建築にとどまらない広い視野を持たれている中で、パッシブハウスに取り組まれている様子が垣間見られて、よかったです。もちろん、技術的なところも非常に勉強になりました。

【全体のご感想】
家を求めるすべての人がストレスなく健康に暮らせる環境で生活できるようになってほしい。家づくりに関わるものとして大事なことを今以上に伝えていきたいと思います。
現在、様々な自然エネルギーを使うことが可能になってきてはいますが、実際に見られることで人に伝えたくなりました!あらゆることで工夫が出来、また実現できるとはすごいの一言です。
視察ツアーを通して自分の目で見て体感することで、驚き、発見、感動を感じられる瞬間がたくさんありました。たくさんの「へー!」をありがとうございます。また、木下さんも森さんも実際のオフィスでの過ごし方や暮らしが垣間見られてお話をより自分ごととして感じることができました。
早速オフィスで何人かに話したのですが、「家を建てる前に知りたかった」という声もちらほら。一生にそう何度もないことなので、そのチャンスがやってきたときに選択肢の1つになるように情報の普及活動がとても大事だと思いました。実体験できるのは、本当に貴重な機会だと思います。腹落ち感が違います。
自分にもいい・環境にもいいを実現できる工夫がすでにあるなら、それを選ぶことは贅沢ではなくて本質的なサステナブルな在り方だと思いました。だから、快適さを知っておくこと・知らせることは、サステナブル推進の原動力になる大事なことだと思いました。理屈抜きに、「いいな~!」「しあわせ~!」と全身で味わいながら見学させていただきました。

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