2024.04.23
コラム

日本の温室効果ガス排出量の実状 その1

2024年4月12日、2022年度の温室効果ガス排出量確報値が環境省・国立環境研究所から発表になりました。最新の統計データをもとに『日本の温室効果ガス排出量の実状』を2回シリーズでお伝えいたします。

■各温室効果ガス排出量の推移
温室効果ガスの総排出量は、約11億3,500万トン(CO2換算)で、前年度比2.5%減少、国の削減目標基準年度の2013年度比19.3%減少となりました。2021年度は新型コロナウイルス禍からの社会経済活動がの再開したことで8年ぶりに増加しましたが、再び減少傾向となり、1990年度以降で最少となりました。

温室効果ガス排出量が前年度から減少した要因は、コロナ禍からの社会経済活動の回復により運輸部門(自動車など)で増加(前年増720万トン、+3.9%)しましたが、産業部門、業務その他部門、家庭部門における節電や省エネ努力等の効果によって、全体ではエネルギー消費量が減少したことが考えられます。

■各温室効果ガス排出量の推移予測

2013年度と2022年度の温室効果ガス排出量実績を結び延長線(≒近似直線)を引いて推移予測をしてみると、森林等の吸収源対策による吸収量を考慮しても、現状の減少傾向では2030年度の目標達成と2050年度のカーボンニュートラルの実現は難しい状況です。環境省は「過去最低値を記録し、オントラック(2050年ネットゼロに向けた順調な減少傾向)を継続」と発表していますが目標達成ペースには届いていません。

私たちは、じゃあ、どうする? 次回『その2』につづく!

■『日本の温室効果ガス排出量の実状』シリーズ その2はこちら

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