2020.10.12
コラム

【シリーズ:食品ロス③】アプリやサイトであなたも食品ロス削減に貢献!

ロングライフジャーナル食品ロス特集ラストの第3回目は、食品ロス削減に役立つアプリとWEBサイトについてご紹介いたします。
第1回、第2回では、食品ロスの現状やその原因についてご紹介してきました。加工品の3分の1ルールが食品ロス発生の一つの要因になっており、そこには私たち消費者のより長い賞味期限を好む習慣が影響していることがわかりました。
そこで食品ロスを減らしていくための買い物時に出来る取組みとして、スーパー等で棚に陳列されている順に購入することが大切なポイントであることをお伝えしました。しかし、消費者のもとへ届く前に、賞味期限が近くなってしまう食材が数多くあるのが現状です。
【コラム】<シリーズ:食品ロス①>日本の現状から見える問題
【コラム】<シリーズ:食品ロス②>日本の消費習慣と原因

そのような食材を必要な消費者に安くお得に届ける仕組み提供しているアプリやWEBサイトが、現在数多くあるとこは皆さんご存じでしょうか。
誰でも簡単に活用することができるものが多く、消費者にとっても安くおいしいものが手に入り、業者も廃棄せず販売することができるため双方にメリットがあります。ロングライフ・ラボでは、数多くあるアプリやWEBサイトの中で、2つを実際に活用してみましたのでご紹介していきたいと思います。

【フードシェアリングサービス『TABETE』】

≪ 概要 ≫
「フードロス」削減のためのプラットフォームで、まだおいしく安全に食べられるのに廃棄の危機に面している食事を、最後まで売り切ることを応援する社会派サービスです。
食事を作ったひと、提供しているひとの「食べて」の想いを最後まで「食べ手」まで届けることをモットーとしています。閉店時間やランチタイムの終わり、商品の入れ替え時間、また閉店時間が近づいてロスが発生しそうになったら登録飲食店はその内容をサービスに掲載します。ユーザーは気に入ったものがあればアプリの中で会計まで済ませて購入し、店舗まで受け取りに行きます。掲載については飲食店舗側の負担はなく無料で掲載が可能です。
≪ 特徴 ≫
・無料の会員登録は必要だが、月額料金制ではないため好きな時にだけ利用できる。
・サンドイッチやパン、お弁当など当日賞味期限のものがほとんどだが、食べきりの量であるため単身でも活用しやすい。
・登録店舗は現状東京都が多いが、全国で展開している。随時登録店舗を募集していおり掲載は無料。
≪ 利用の仕方 ≫
・「TABETE」のアプリをダウンロード
▼「TABETE」紹介サイト
https://www.cocooking.co.jp/food-sharing/
・現在地や駅名、ジャンルでお店を検索
・検索時に食品が出品されている店舗から順に掲載されている
・購入したい食品を選択しアプリ上でお会計し、引き取り時間を指定
・指定した時間に食品を引き取る
≪ 実際に購入したもの ≫
購入店舗:デイジイ 川口駅前店
購入商品:本日パンの詰め合わせ
購入金額:680円(元値1,000円)
→サンドイッチや総菜パン、菓子パンなど種類豊富な5つのパンの詰め合わせでした。

実際に活用してみて感じたのは、おいしく、楽しく、かつお得に活用できるサービスであるということです。会計も事前に済ませているので、店舗ではすぐに商品を渡してもらいとてもスムーズでした。ただし、現状ではまだ登録店舗が限られてしまっているため、近場で登録店や希望の食材が見つかるかどうかは場所やその日の出品によっても変わってきてしまいます。そこで、特定の食材を探す、というよりは何かおいしいものはないかな?と宝探しのような気持ちで利用すると、より楽しくアプリを活用できるのではと思います。テイクアウトを考えているときは、まずは「TABETE」を開いて、見てみるという癖をつけると、おいしくお得にかつ食品ロスの削減にも貢献できます。

【社会貢献型ショッピングサイト『KURADASHI』】

≪ 概要 ≫
「もったいないを価値へ」を掲げ、SDGsの達成目標でもある「2030年までにフードロス半減」を目指す、日本初・最大級の社会貢献型フードシェアリングプラットフォームです。
WEBサイト上にて賞味期限が近いもの、鍋の素など季節性が高いもの、形が悪いなどの理由で今までは廃棄となっていた商品が通常の価格より廉価で購入する事ができます。また、シェアリングプラットフォームである事から、売り手である協賛企業側に対しても、通常廃棄していた食品を運営企業である株式会社クラダシが買い取り、WEBサイト上で利用者へマッチングしています。更には売上金の一部はNPO等への支援金として活用しています。
≪ 特徴 ≫
・商品ラインナップが食品・飲料・美容/健康・日用品/雑貨・その他と幅広い。
・無料の会員登録のみで通常の通販サイトのように購入が可能。
・協賛企業も登録料・月額利用料・掲載料・手数料など一切費用は不要。
・売上金の一部をNPO等への支援金として活用。
≪ 利用の仕方 ≫
・「KURADASHIWEBサイトへのアクセス
https://www.kuradashi.jp/
・購入者は商品を選択の上決済
≪ 実際に購入したもの ≫
購入商品:明治42年創業 浜富海苔 有明産 最高級一番摘み 焼海苔「はねだし」全形 50枚×2
購入金額:3,980円(参考価格8,000円)
→製造時に破れ、端欠け、割れ、大穴が出やすく、それらの「はねた」ものを集めたお得な海苔です

パリパリの美味しい海苔です!しかも大量にあります!今回は購入者として利用をさせて頂きましたが、「KURADASHI」は正に一般的な通販サイトで登録、購入等に一切のストレスはありませんでした。また、何よりもその品種の多さに驚かされます。裏を返せば、今までどれだけこんな状態で捨てられている勿体ない商品があったのか、と思う次第です。皆さんも何かを購入検討する際に「TABETE」と同様に、まずは「KURADASH」で確認をしてみるという癖をつけてみてはいかがでしょうか。

【最後に】
TABETE』 と『KURADASHI』をご紹介しましたが、いかがでしたか?どちらも簡単に、お得でおいしい食材を見つけることができますので是非活用をおすすめします。
最後に、食品ロスシリーズ全体を通して、日本の食品ロスの現状と問題を知っていただけたでしょうか。世界的に問題になっている食品ロスは、日本でも解決のために取り組まなくてはいけない社会問題です。解決に向けてひとり一人ができる行動として、食材を使いきるように計画的に買い物をすることや、スーパーでは棚に陳列されている順番に買うこと、食品ロス削減につながるアプリやWEBサイトの活用をご提案しました。食品ロス削減は、我慢して大変な思いをしながら行うものではありません。みんなが少しの気づかいをするだけで無駄にならずに済む食材がたくさんあるのです。
食品ロス削減に向けて国としても様々な取り組みを行っています。その一環として10月を食品ロス削減月間と定め、農林水産省・消費者庁・環境省が連携して食品ロス削減に向けた取り組みを集中的に普及・啓発します。また、1030日は「食品ロス削減の日」とされております。普段から、そして特に10月の間は、自分の些細な行動で食品ロスを生んでしまうこと、逆にちょっとしたことで削減に貢献できることを心にとめて生活してみてはいかがでしょうか。食事は毎日の生活に関わることだからこそ、ひとり一人の日々の心掛けで未来をかえていきましょう。

<ロングライフ・ジャーナル【シリーズ 食品ロス】>
■その①「日本の現状から見える問題」はこちら
■その②「日本の消費習慣と原因」はこちら

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